アトピー性皮膚炎の相談で一番びっくりするのは、勝手にアトピーと思っている人が結構いるということです。
相談に来店するお客様には、専門医に受診したことがあるかどうか伺うことにしています。すると、「子供のころアトピーといわれたことがある」という方が多いです。それだけで、今痒いのもアトピーと思ってしまうのかもしれません。
まず、専門医を受診しましょう。
当店では、今まで専門医の治療に疑問を感じたり、西洋薬に不安を感じる方の相談をお受けいたします。
漢方での皮膚疾患の治療の基本は、食や生活習慣の見直しやスキンケアが重要です。単に薬に頼るのでなく、根本からの治療を目指しましょう。 |
| 1. |
アトピー性皮膚炎の漢方療法 |
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アトピー性皮膚炎は、痒みを伴う皮膚の炎症です。一般に再発を繰り返すことが多く、完治しづらいといわれています。発症原因は不明ですが、消化機能や呼吸機能、ストレスなどが症状の変化に関与するといわれています。また、「皮膚の状態は、胃腸の状態と同じ」と考えます。基本的に、皮膚の症状別に薬を使い分けますが、胃腸の状態を整える薬も一緒に服用することで効果が上がります。
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簡単に次の流れにそって状況別に漢方を使い分けます。 |
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状態 |
原因 |
主な治法 |
| 紅斑 |
赤み(境界がはっきりしないことが多い) |
風熱 |
涼血清熱 |
| ↓ |
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| 丘疹 |
ブツブツ(硬くなる傾向) |
血熱・湿熱 |
清熱利湿 |
| ↓ |
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| 水疱 |
水ぶくれ |
湿熱 |
清熱利湿 |
| ↓ |
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| 糜爛 |
じゅくじゅく |
痰湿 |
健脾燥湿 |
| ↓ |
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| 落屑 |
かさかさ |
血燥 |
滋陰補血 |
| ↓ |
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| 苔癬化 |
ごわごわ |
血燥 |
滋陰補血 |
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| 2. |
根治のために |
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西洋学的治療はステロイド外用薬など、皮膚局所のみを治療する方法であるが、皮膚は人体の一部という視点も重要です。確かにステロイド外用薬の炎症症状の改善には絶大な効果をあげます。しかし、対症療法であるため、再発を繰り返す患者は、精神的ストレスを抱える結果となる。東洋医学的には、対症療法と体質療法の組み合わせを基本としているため、薬を使わなくても発症しない、いわゆる「根治」を目指す視点も持ち合わせています。 |
| 3. |
生活習慣の見直しこそ根治への第一歩 |
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アトピー性皮膚炎は1960年代から、小児を中心に症例数が増加しました。社会的には高度経済成長による急激な社会の変化の時期に一致します。さらに、1990年代になると小児から大人まで発症する年齢層は広がりを見せました。大人になると治るといわれたアトピー性皮膚炎は、再発を繰り返す難治性の慢性疾患となりました。
西洋医学では原因が不明なことから、対症療法に終始しますが、東洋医学では、人の生活習慣にも目を向け、発症にいたる原因を生まれながらの体質(先天的)と生活習慣から形作られる体質(後天的)の両面からの治療法を目指します。
1960年代からの急激な社会の変化に目を向けると次のようなことが見えてきます。 |
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| 1. |
食べるものの変化 脾胃(消化機能)を弱らせる原因 |
① |
食事の欧米化・・・本来日本食は低脂肪、低カロリーでしたが、欧米化やインスタント食の普及で、日々の飲食が高脂肪、高カロリーになりました。 |
② |
冷蔵庫の普及・・・今や冷蔵庫は、全ての家庭に行き渡り、食べ物の保存が容易になりました。以前は、塩漬け等の加工で食品を保存していましたが、その必要はなくなりつつあります。過剰な塩分を摂取しなくて済むのはいいことです。その一方、一年中冷たいお茶やジュースを大量に飲むようになりました。 |
③ |
生魚の消費量・・・回転寿司の普及と共に、生魚を食べることが多くなりました。最近は子供までもが「トロ」や「うに」を平然と食べています。 |
| 2. |
住まいや環境の変化 肺(呼吸機能)を弱らせる原因 |
① |
住まいの気密化・・・室内温度の変化を少なくするために、外気をさえぎる、高気密、高断熱の住宅が一般的になりました。冷暖房も行き渡り、寒暖を感じなくなりました。このことは、寒暖に順応する能力を減退させます。 |
② |
自動車の普及・・・自動車の排気ガスによる環境汚染も問題ですが、移動に近距離でも自家用車の利用することで運動不足を招きます。 |
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このようなことが、アトピー性皮膚炎を長期化させる一つの原因になっているのではと考えます。
さらに、コンピューターの普及による労働環境の多様化や不況による少人数化に伴う長時間労働により、ストレスに曝されることが多くなりました。こうした状況が、アトピー患者の高年齢化に関係すると思います。
成人アトピー患者の漢方相談で気がつくことはストレスに対する漢方薬を用いるケースが増えたことです。
時代の流れとともに、病態も変化します。漢方という伝統的な手法で症状を改善させるためには、的確に病態を把握し、経験だけに捉われない姿勢を我々専門家が身につけなくてはなりません。 |